人の体には、細菌やウイルスなどの外敵が体内に侵入したときに、体を守るために免疫系という防衛機能が備わっています。
この防衛機能が働くことにより、熱が発生するのです。
ここでは、生後間もない赤ちゃんのときに発生する熱の原因とその対処法について説明したいと思います。
■原因
赤ちゃんが産まれたとき、まだこの免疫系は未発達な状態です。そこで産まれる前に予め母親から、外敵から身を守る「抗体」を受け取っています。この「抗体」は、しばらくの間は赤ちゃんを細菌やウィルスといった外敵から守ってくれます。
また、母乳にも「抗体」が含まれています。「抗体」の効果が薄れる生後6ヶ月前後くらいから、赤ちゃんは何回も細菌やウィルスに感染し、繰り返し戦うことで免疫系を発達させます。
この発熱は赤ちゃんの成長における発達にとって、欠かせないもののひとつなのです。
外敵と体が戦う際に起こる正常な反応として発熱が起こるので、その時期にはじめて発熱を経験する赤ちゃんが多いです。
よって、赤ちゃんが発熱することはいわば成長の過程として欠かせないものなのです。
発熱時には脱水状態になりがちなので、こまめに水分補給させることが大事です。
発熱に対してすぐに解熱剤や抗生物質を与えるのは、赤ちゃんの発達にとって好ましくない場合もあります。
まず、下記の項目を確認して状況を確認してみてください。
●確認ポイント
・機嫌や食欲はどうか
・せきなど他の症状がないか
・発疹がないか
・おしっこの量はいつもより減っていないか
●対処法
・安静と水分補給(脱水症状になりがちになる為)
・寒気があるときには布団を着せて暖かく。顔色が赤くなり汗をかいてきたら布団を薄くして手足を出してやりましょう。
・お風呂は体力を消耗するので、出来るだけ短時間で、体を流す程度にしておきましょう。
・ひきつけがが起こったときもあわてず、身体を横に向けて吐いたものがのどに詰まらないようにしてください。(5分以内で1回であれば心配ありません)
・発熱のために機嫌が悪く食欲不振になったり、おしっこの量が減ったりするときには解熱剤を使って熱を下げてあげましょう。
◆下記の項目の場合は、早急に病院に行くようにしましょう
・生後3か月以内の発熱
・ぐったりして意識がはっきりしない
・何度も嘔吐している
・呼吸が苦しそう
・ひきつけが5分以上つづく、または繰り返す
以上が、赤ちゃんの熱の原因と対処法です。赤ちゃんはまだ自分の症状を言葉で伝えることができません。よって、ご両親がしっかりした知識を持って、赤ちゃんの状態を見極めてあげることが何よりも重要なのです。