赤ちゃんや幼少期は、大人に比べてアレルギーになりやすい時期です。
大人になるに連れ、自然と治ることも多いアレルギーについて、
今回は紹介していきます。
赤ちゃんは、未熟なためアレルギーを起こしやすい
赤ちゃんや幼児の場合は、消化管の酵素や免疫が未熟なため、
分子量の大きいタンパク質を十分に分解できず、
体内に侵入したタンパク質が異物と認識され、
アレルギー反応を起こすことが多いです。
人間の消化管は、大体3歳頃には成人並の働きになるので、
食物アレルギーは年齢と共に改善し、成人まで持ち越されるのは10%程です。
比較的、赤ちゃんや幼少児に多く、年長児に少ないのは、
酵素や免疫の消化管機能の働きに差があるためだと考えられています。
アレルギーを起こしやすい食物
3大アレルゲン
「卵」「牛乳」「小麦粉」は、最もアレルギーを起こしやすい食べ物で「3大アレルゲン」と呼ばれています。
その他の食材
大豆・そば・甲殻類・果物・ナッツ類・添加物や着色料など
どんなアレルギー症状があらわれる?
即時型
食物摂取後、1時間以内で顔面から全身にじんましんが広がります。
呼吸器症状(喘鳴、咳、鼻汁、など)や、消化器症状(下痢、腹痛、嘔吐など、)などもあります。
非即時型
現れるまで24~48時間以上かかる場合もあり、
消化器症状(下痢、血便、体重増加不良、便秘)や、
皮膚症状(アトピーの悪化、むくみを伴う湿疹)があります。
※食後時間が経過してからの症状なので、食物との関連性を証明することが難しい。
皮膚症状
・生後まもなくから、乳児湿疹がひどく、ジュクジュクする状態
・黄色いふけがひどい
・強い痒み
・おむつかぶれがひどい
・肛門周囲の赤み
・耳切れ
生活症状
・毎回の嘔吐・下痢、体重増加不良
・血便
・咳、喘息、喘鳴
・ぐずりや号泣が激しい
・早朝までぐずる、夕方のぐずりがひどい
・目の腫れ、目やにが多い
アナフィラキシーには要注意!
アナフィラキシーは、食物摂取後15~30分くらいの内に起きる「多臓器のアレルギー症状」です。
喘鳴、呼吸困難、全身のじんましん、顔面浮腫、結膜充血などの重症な症状が見られます。
さらには血圧低下、頻脈、チアノーゼ、顔面蒼白のような循環障害が見られる場合救急処置をする必要があります。
蕎麦アレルギーのアナフィラキシーが有名ですが、エビやカニ、小麦などでも起こります。
アレルギー疾患では、成長とともに自然に治癒することを「アウト・グロー」と言います。
食べ物アレルギーを治す特別な薬はありませんが、
多くのアレルギーは年齢を重ねるにつれ自然治癒します。
アウト・グローの見られる年齢には、個人差はありますが、
一般的に1~2才までに60%~70%が改善し、
3才までには90%が改善すると言われています。
少しずつ慣れさせ、食べられるようにしていくことで、
自然治癒させていきましょう。焦らない気持ちが第一です。