近年、中学校における部活動の存続が危ぶまれているそうです。
理由としては、顧問教員の移動や生徒そのものの減少もさることながら
顧問を引き受ける教師がいないということが原因のようです。
■顧問がいなくて部活動が廃止
少子化についてはさまざまなメディアで報道されていますから
子供の数そのものの減少による問題点は理解はできるかと思います。
しかし、部活動を指導する先生の異動などが理由で
部活が失われてしまう現象があることに、大変驚きます。
もちろん先生自身が過去に行っていた部活の顧問になれるかはわかりませんし
スポーツが苦手なのに運動部の顧問になってしまうこともあります。
そんな引き受けにくい環境が顧問がいない現象を生んでいるようです。
●顧問を引きうけるにはサービス精神が必要?
顧問は形式的に存在し、指導については専門家に任せるケースも最近は多くあるようですが
あくまでも部活動の顧問は、教師のボランティア精神に頼る部分があります。
正規の職務ではない部活動での指導は、言わばサービス残業とも言え
放課後や土日などに自分の時間を使い、どれだけ熱心に指導をしても
超過勤務手当や振休なども一切ないのですから二の足を踏むことを責めることはできません。
また、生徒や親の部活動への期待が今も根強くあり責任を覆うことに萎縮してしまうようです。
●部活についての考え方の違い
部活というものに対して「勝たせたい」という勝利至上型の人や
「勝利ではなく心の強化や仲間意識の向上が目的」など精神鍛錬型の人
そして「学生のうちは楽しみながら好きになってもらおう」という楽しさ重視の人など
学校の方針や先生の考え方はいろいろありますので
生徒と顧問の考えが一致できないことも大きな影響を与えています。
最終的に部活動に参加するかどうかの決定権は生徒の判断ではありますが
先生と立場も加味して、受け入れ体制を整える努力はしてほしいものです。
外部に安定的な指導員を求めることは、正論かもしれませんが
教育・育てるという観点で考えると部活動の意図を見失っているのではないかとも思うのです。
少子化からの学校小規模化、また教師自体の高齢化にもよる顧問不足の問題など
部活動維持をめぐってのトラブルは、全国で起こりうることです。