この時期の子供は、幼児や中学生に比べ身体の発達が穏やかで心の動きも比較的安定しています。しかし、いじめや不登校、自殺・非行などの様々な問題が増加するにつれ
子供の心理的な発達について関心が強く持たれるようになってきています。
■心理的特徴
【劣等感の現れ】
年齢が上がれば、学校での勉強もどんどん難しくなり不得意教科が出てくるでしょう。
授業の進度になかなかついていけなかったり、学習内容が理解できなかったりすれば
おのずと「劣等感」を持つようになります。幼い頃には感じていなかった様々な感情も生まれます。
このような心の動きを親に対して素直に打ち明けなくなるのも、この時期の特徴です。
【親との距離を取り秘密主義に】
もちろん高学年になると、交友関係が広がってきます。
家族との時間よりも、仲間同士のふれあいを大切にするようになるのです。
親に対して秘密の事柄も多くなり、入りこまれたくないという気持ちが出てきます。
以前はその日にあったことや、悩みや不安があれ何でも親に話していたのに
急によそよそしくなったり、話しもしなくなったりするので親は当然困惑します。
ですが、この時期はまさに親からの自立の時期です。
子供自身が、自分を再度見つめ直す時期だととらえましょう。
■心理からの身体的変化
【現在の心理が身体の異常として現れる】
朝、子供が「お腹が痛い」「頭が痛い」と起きようとしないことがあったとします。
そんな時「嘘ばかりついてないで早く起きなさい」などと、子供を叱ったことはありませんか。
実は嘘をついているのではなく、本当に痛みがある場合もあるのです。
「学校に行きたくない」という心理が身体にうつしだされ、痛みとなって現れているのです。
行きたくないという心理に気づいてあげていますか?振り返ってみましょう。
気持ちを聞いてあげるということはもちろん大切です。
しかし、なかなか気持ちを伝えられない子供の「身体から発すSOS」を受けとめることはもっと大事なことなのです。
疑いの目で物事を見ていくと、すべてが悪く見えます。
いつまでも、温かいまなざしで見つめることができるようにしたいものです。
【体の発達による「不安」な心理】
この時期の体の発達には、男女差や個人差があります。
この差をきちんと教えることで、自分の成長や変化にマイナスなイメージを持たなくなります。
体に大きく変化が現れれば、当然のことながら焦燥や不安感を持ちがちです。
そんな時こそ、さりげなく親が話しかけましょう。
成長したことの喜びや、将来の期待を話せる雰囲気をつくることです。
■親ができること
たとえ体は大きくなっても、まだまだ心は子供です。
自立していきたいと思う気持ちと、もっと甘えていたい気持ちが混在しています。
親御さんに出来ることは、理解の気持ちと見守る姿勢なのです。